GitHubは悪なのか?SMBCのソースコード流出事件の本質を解説!

記事更新日: 2021/01/31

ライター: ナガヤン

ハローエンジニア!SEライターのナガヤンです。

先日29日(金)にTwitterで炎上していたSMBCのソースコード流出事件、サーチバンクでも話題になり、なかしーさんがこの問題について鋭い切り口で解説してくれました。

 

著作権としての問題の見方は私になかったので、非常に参考になりました。

一方で現役エンジニアとしては、今回の件はプロジェクト単位での困惑が大きいため、別の切り口として筆をとらせていただきました。

3行でザックリ解説

今回の記事の概要は次の通りです

3行でまとめ!
  • 請負のプログラマーがSMBCのソースコードをGitHubで無断公開していることが発見された
  • 当事者は仕事のソースコードを個人のPCに保有しており、コンプライアンスが崩壊していた
  • SMBCはソースコードを実際のものと回答したが、顧客情報の流出やセキュリティへの影響はない

 

詳しく解説

流出したソースコードはSMBCだけ?

三井住友銀行(SMBC)の公式HPより

 

今回の騒動でソースコードの流出が判明した企業は次の通りです。

流出が判明している企業
  • 三井住友銀行(SMBC)
  • NTTデータ
  • NEC

 

ソースコードの流出については、各社ともに早期に事実関係を確認のもと声明を発表しています(特に当日中にFAQを整備したSMBCは、驚くばかりの速さでした)。

判明した各社が精査したところ、ソースコードの内容は、セキュリティや個人情報に関わる部分ではなく、ファイルの読み書きなど汎用的な処理だったため、セキュリティ環境全体に影響を及ぼすものではないとのことです。

 

GitHub って危険なの?

今回の件については、GitHubは完全な被害者です。

問題となった方は、GitHubを使って年収を計測できる転職サービスFindy(おっと、これも流れ弾ですね)を利用していました。

実際、これ自体は自分で開発したプログラムやサービスで利用していれば問題にはなりません。

 

問題は、該当のプログラマーが業務上扱っていたソースコードを個人で保有して、無断で公開してしまったところにあります。

 

雇用元だった会社が倒産しているから問題ない?

該当のプログラマーはそのように主張していますが、問題大アリです!

たしかに、請負契約は企業間で交わされるため、最終的には雇用元が訴訟の対象になります。

しかしそれは、業務契約上の違反の場合です。

 

今回の件では、無断で公開したことで社会的騒動を引き起こし、SMBCに企業ブランドや価値に損失を与えることになりました。

そのため、業務契約上の問題としては取り扱わず、損害賠償請求が行われるとの見方が示されています

 

まとめ

GitHubは、非常に便利なサービスですが、公開をベースとしたWebサービスである点は注意しなければなりません。

一方で、GitHubはオープンソースソフトウェア(OSS)の開発プラットフォームとして発展し、いま私たちが使っているサービスやツールの根幹を支えてきた面もあります。

GitHubを仕事で使う場合には、一概に禁止するのではなく、公開設定に注意して安全に利用するのが賢い選択です。

 

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この記事を書いたライター

ナガヤン

著者プロフィール

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これからの働き方を考えるメディア「JobTier」にて、対談記事を書いていただきました!

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