今からゲームボーイで遊ぶならカセットの電池交換はしておいた方が良い

記事更新日: 2021/10/19

ライター: せきぞー

2月27日。

今日はポケモンの誕生日ということで、

「かつてを思い出して物置から初代のポケモンを引っ張り出してプレイしようか」と思っている人も多いかもしれない。

 

しかし、昔のゲームボーイソフトを久々にプレイしようと電源を入れるとこんなショッキングな画面に遭遇する事はないだろうか?

 

 

デ、データが消えているだと……!!!???

 

じつは、ゲームボーイなどのカセットにはデータ保存用に電池が内蔵されていて、その電池が消耗してしまうとセーブされていたデータが消えてしまう仕組みになっている。

 

公式からはゲームボーイの電池の寿命は5年ほどなのだとか。

 

もちろん10年以上経過しても何事もなく動作するものもあるが時間が経過すればするほどデータを紛失するリスクは高まってしまう。

 

ということで、

 

今回は初代ポケモンをもう一度楽しみたい少年少女の心を忘れないイイ歳した大人たちのためにゲームボーイカセットの電池の交換方法を紹介していくヨ!

 

注意:一度電池を交換すると、もともと保存されていたデータはリセットされます。

 

電池の交換方法は主に2通り

ゲームボーイカセットの電池を交換する方法は主に2通り。

揃えている道具や目的によって変わってくるゾ。

 

その①

半田を使用して、タブ付きボタン電池*を取り付ける方法

※溶接により電池に金具が予め取り付けられているもの

 

その②

テープを使用して、通常のボタン電池を取り付ける方法

 

電池の寿命をできるだけ長くしたい場合は 

揃える道具とコストを抑えたい場合は → ②

がそれぞれおすすめダ。

 

ちなみに「半田を使用して通常のボタン電池を使用する」という①と②のやりかたをかけ合わせた超ウルトラC級な方法もあるが、

 

絶対に止めた方がいい。

 

理由は「ボタン電池」と、電池と基盤を繋ぐ「金具(タブ)」を溶接ではなく、半田で接合することが想像以上に困難であり、且つ危険だからだ。

 

通常、半田でモノとモノを繋げる際、半田ごてで溶かした半田をモノとモノとの間に付着させ、固めて繋げるわけだが、

上手に繋げるには半田ごてで半田を溶かすと同時に繋げる対象物も半田が溶けるくらいに十分加熱させて半田を対象物に馴染ませる必要がある

 

つまり、上記の場合だと「ボタン電池」と「金具」の両方を半田が溶けるくらいにまで加熱する必要がでてくる。

 

しかし、

ボタン電気が必要以上に加熱されると中の液体が沸騰して液漏れを起こすため、使い物にならなくなる

しかも場合によっては電池が爆発するという危険性がある。

 

YouTube上にボタン電池を爆発させてしまった人の動画があったので参考までに(爆発の瞬間は2:29あたり)。

 

ということで身近に揃えられる道具だけで上記の方法を試すことはおすすめしない。

というか多分無理だと思う。自分は試してみたけど電池を5コも無駄にした。

良い大人のみんなは真似しちゃダメだぞ!

 

半田とタブ付きボタン電池を使う方法

用意するもの

・電子工作用半田(ダイソーで購入)

 

・半田ごて(30W、ダイソーで500円で購入)

 

・特殊ネジ用ドライバー(Amazonで購入)

ゲームボーイカセットで使用されているネジは通常のドライバーでは回すことができないので専用のドライバーを使うのがおすすめ。

ドライバーが手元にない場合は最悪ニッパーの先でネジをはさんで回してとることも可能っちゃ可能。

自分はAmazonでこちらのドライバー2本セットを購入した。この2本でゲームボーイ、ファミコン、スーパーファミコンのネジを外すことができるのでレトロゲーマーを目指すなら必須のアイテムだ。

 

・タブ付きボタン電池 CR1616 (Type B、Amazonで購入)

タブ付きボタン電池には2種類あり「+と−のどちら側を上にするか」で金具の形状が変わる。

タブ付きボタン電池の名前のあとにType Bと記載のあるものは+(フラットな面)を下に使用する用。

Type Bの表記のないものはその逆。

今回はType Bのタブ付きボタン電池を用意しよう。

ただしType Bではなくても金具を強引に曲げれば代用は可なので間違えて買ってしまっていてもそこまで問題ではない。

 

ちなみに初代ポケモン赤・緑・青の電池はCR1616が使われているが、ピカチュウ・金・銀・クリスタルでは容量の大きいCR2025およびCR2032を使用した方が良い(時計機能とかがある為)。べつに容量の違いだけなのでどれを使っても問題ないっちゃ問題ないんだけどネ!

 

・ピンセット

↑ない場合は素手でも問題なし。

素手で作業する場合などは、電池や金具についた手の油が電池の消耗を早めてしまうのでよく手を洗って水気をしっかり取ってから作業にとりかかろう。

 

交換手順

1.まずはカセットの裏側のネジをなめないようにゆっくり回しながら外していく。

 

2.カセットの表と裏を上下にスライドするようにして中の基盤を取り出す。

 

3.古い電池を取り外していく。

上の画像の赤丸の部分2箇所が半田によって基盤と電池が接続されているのでここに半田ごてをあてて半田を溶かしながら取り外していく。

 

★半田ごてを手に持っていない時は半田ごての金具部分がテーブルなどにつかないように注意。自分はアイロンの台を使ってテーブルが焼けるのを防止している。

 

4.右側の赤丸の部分の半田を半田ごてを当てて溶かしながら外していく。

金具部分をピンセットで持ち上げながら溶かして外すような要領で良いかと。

 

5.逆側も同じ要領で取り外していく。

 

6.半田と半田ごてを使用して、新しい電池を外す時と逆の順番で基盤へ取り付けていく。

おそらく器用な人であればもともとついていた半田だけで取り付けることも可能だが、それだと心もとないので追い半田はしておいた方が良い。

ここでの注意点は金具にあらかじめ半田ごてをあてて半田で固める周囲を熱しておくこと。そこへ半田をあてて溶かしていくという手順になる。

 

ある程度半田を溶かしたら半田を持っていた方の手で電池をおさえながら半田が全体になじむまで少し待つ。

しばらく熱していると、あるタイミングで半田が「じゅわぁ〜」っと広がっていくので、それが半田が対象物になじんだという目安だ。

そこまでいったら半田ごてを離して半田が冷めて固まるまで待つ。

 注 意 :ここで半田ごてを長時間あてつづけていると想像以上に電池が熱を帯びてくるので、作業は焦らずとも迅速にすすめていくことが重要ダ!

 注 意 その2:電池の+面(フラットな方)が下−面が(丸みのある方)が上なので間違いがないように。

 

7.逆側も同じ手順で取り付けていく。

 

★ちなみに自分のようにタブ付きボタン電池のType Bではない方を間違えて買ってしまった人はこのようにして金具を折り曲げて使用すれば問題なく使うことができるゾ!

P.S. 後から気づいたけど、わざわざタブを折り曲げなくても電池を上下ひっくり返してつけるだけでも全然良かったかもしれない。。。

まぁ、その辺はお好みで。

 

8.全体の熱が冷めたらカセットを元の形に戻してゲームボーイのスイッチを入れる。

お久しぶりです!博士!

 

9.最初の場面でレポートを書いてリセット→データがちゃんとセーブされているか確認。

おめでとうございます

 

テープと通常のボタン電池を使う方法

用意するもの

通常のボタン電池 CR1616

・特殊ネジ用ドライバー、もしくはニッパー

・絶縁テープ(マジックテープ)、もしくはセロテープ

・ペンチ、ピンセットなど先端の細いつまむもの

・カッター、マイナスドライバーなど平たい部分があるもの

 

こちらの方法は全部100均で揃えられるものばかりなので手軽に済ませることができる。

 

交換手順

※基盤をカセットから取り出すまでの過程は半田バージョンと同じなので割愛します。

 

1.古い電池を基盤から取り外す。

半田を使う方法では電池を金具ごと基盤から外していたが、今回は金具を基盤に残した状態で電池のみを取り外していく。

写真が「クリスタル版」だが、手順は同じなのでそこはご容赦いただきたい…

 

電池の金具の隙間にカッターの刃を入れ、矢印の溶接で接合されている点々の部分まで金具をめくって

 

めくれた部分をピンセットでつまみ、手前にくるくると巻き取るように溶接部を外していく

 

反対も同様に点々の手前まで金具をめくって

 

くるくる巻いてとる

 

2.くるくるになった金具をできるだけまっすぐになおしておく。

 

3.絶縁テープを電池一周できる程度の長さに切り、下の金具のさらに下にセットする。

 

4.その上に電池を置く。

電池の+面(フラットな方)が下、−面(丸みがある方)が上になるように置く。

 

5.その上にもう一方の金具をかぶせる。

 

6.最後にテープでフタをして完成。

 

あとは半田の時と同様にセーブしたデータが電源をリセットした後も残っていればOK。

 

後世に残していくべき文化

ポケモンはいまや世界で最も売れたゲームソフトにまでなった日本の大事な文化である。

任天堂はいまでも新たにさまざまな革新的なゲームを世に生み出し続けているし、ポケモンもどんどん新たなストーリーが作り出されている。

 

しかし今の技術、ストーリーにいたるまでの歴史を実際に手にとり感じられるような人であれたら

ゲームというものをさらに楽しむことができるのではないかとひっそり思っている。

 

 

「ねぇねぇ、わたくしのポケットモンスターと、勝負しない?」

 

「あんただぁ〜れ?」

 

 

なんて未来にはなってほしくないものである。

この記事を書いたライター

せきぞー

詳細プロフィール

普段は野外イベントの設営など行っています。

出来るだけ読者の方の視点に立った執筆を心がけていきます!

物静かな性格なため時折南の島に佇む某石像と勘違いされることもあるとか、ないとか。

Twitter:@100Sekizo

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