社畜ちゃん漫画まとめ「後輩ちゃんと労働基準法36条」「先輩さんと流行りのサービス」

記事更新日: 2021/10/09

ライター: ナガヤン

10月3日(日)に公開された、社畜ちゃん最新話。

460話「後輩ちゃんと労働基準法36条」、461話「先輩さんと流行りのサービス」の解説記事です。

今回は残業時間と残業代に関する労働基準法の話です。

 

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3行でまとめ

  • 36協定を届け出た場合は、労働時間を45時間/月、360時間/年を上限に延長できる
  • 違反した場合は、使用者に6か月以下の懲役または30万円以下の罰金
  • 記録が残っていれば、支払われていない残業代を労働者は請求できる

おや、法律マンガかな・・?

元ネタ・小ネタ解説

さぶろく協定

「さぶろく協定」って何ですか?

― 後輩ちゃん

次のコマで社畜ちゃんが解説していますが、労働基準法第36条で規定されている協定のこと。「36協定」「三六協定」「サブロク協定」とも表記されます。

第36条は「時間外及び休日の労働」に関する条文で、第4章「労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇」の一条文として記載されています。

原文は法令検索の「e-Gov」で読むことができます。

ポイント36協定とは、労働基準法36条で規定された協定

社畜ちゃんの「36協定」解説

36(サブロク)協定」は労基法第36条で規定されている協定だよ

原則では1日の労働時間は8時間だけなんだけど

この協定の届出を出すと残業や休日出勤をさせたりできるんだ

それでも上限は月45時間までね

― 社畜ちゃん

社畜ちゃんの解説は、(労働時間)第32条第2項、(時間外及び休日の労働)第36条第1項および第4項に相当する内容です。

丸かっこの内容は条文のテーマです。つまり第32条は「労働時間」について、第36条は「時間外及び休日の労働」について規定しています。

この3つの条項は、「原則では~」から1文ずつ次のように対応しています。

  • 原則では1日の労働時間は8時間だけなんだけど …(労働時間)第32条第2項
  • この協定の届出を出すと残業や休日出勤をさせたりできるんだ …(時間外及び休日の労働)第36条第1項
  • それでも上限は月45時間までね …(時間外及び休日の労働)第36条第4項

 

1行目に相当する第32条第2項では、1日の労働時間は休憩時間を除いて8時間までと規定されています。

② 使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。

― 労働基準法 第三十ニ条 第二項

2行目に相当する第36条第1項では、協定の届出により労働時間の延長と休日出勤させることができると規定されています。

(時間外及び休日の労働)

第三十六条 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、厚生労働省令で定めるところによりこれを行政官庁に届け出た場合においては、第三十二条から第三十二条の五まで若しくは第四十条の労働時間(以下この条において「労働時間」という。)又は前条の休日(以下この条において「休日」という。)に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところによつて労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。

― 労働基準法 第三十六条 第一項

詳細は省きますが、第2項は協定の記載事項が、第3項は労働時間を延長した労働(いわゆる「残業」や「休日出勤」)をさせられる限度時間が規定されています。

3行目に相当する第36条第4項では、残業や休日出勤の限度時間は、45時間/月、360時間/年 規定されています。

④ 前項の限度時間は、一箇月について四十五時間及び一年について三百六十時間(第三十二条の四第一項第二号の対象期間として三箇月を超える期間を定めて同条の規定により労働させる場合にあつては、一箇月について四十二時間及び一年について三百二十時間)とする。

― 労働基準法 第三十六条 第四項

ポイント36協定を届け出た場合、45時間/月、360時間/年を限度時間に、労働時間の延長または休日出勤させることができる。

全然守れてないよ…

全然守れてないよ…

ブラック企業が「違法企業」って呼ばれる理由がわかった?

― 社畜ちゃん

労働基準法第119条1号において、違反時の罰則として「6か月以下の懲役または30万円以下の罰金」が規定されています。

罰則の対象は「使用者」です。社長など会社の代表者だけでなく、残業の可否について権限のある上司なども含まれます。

ポイント違反した場合、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金。

残業時間の上限オーバーはともかくさ

残業時間のオーバーはともかくさ

私は残業代が出ない所をなんとかして欲しい

― 社畜ちゃん

ブラック企業に毒されています。ふつうに違法です。

ワーカーホリックな社畜ちゃんだから言えることですが、上限なく働くのであれば役員や管理職にしてもらいましょう。

ポイントブラック企業に長くいると、違法労働に慣れて妥協してしまう。

毎日の残業時間を記録

毎日の残業時間を記録しておくと良いことがあるわよ

― 先輩さん

労働基準法第114条「付加金の支払」により、3年以内であれば、支払われていない残業代を労働者は請求することができます。それ以前の残業代は時効となり請求できません。

より正確に伝えると、第114条では「五年以内」と規定されていますが、第143条で当分の間「五年」とあるのは「三年」とする、と上書き規定されています(やっつけ実装みたいですね)。

過去の判例には、「労働者のメモを根拠に、勤怠記録にない残業の存在が認められた事例」があるので、おやっと思ったら、たかがメモでも付けておきましょう。

ポイント残業時間の記録があれば、遡って残業代が支払われるケースも。

Twitter の反応

結うき。先生のひとこと

今回のよく見て欲しいところ

  • (460話2コマ目)(╹ワ╹)
  • (461話4コマ目)久しぶりのインフラさん
  • (461話3コマ目)先輩さん開眼

 

ということで、今回は「社畜ちゃんでわかる『労働基準法』」でした。

過去のエピソードも読みたい方は、社畜ちゃん公式サイト「社畜ちゃんBlog」へどうぞ。

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この記事を書いたライター

ナガヤン

著者プロフィール

こんにちは、SEライターのナガヤンです!
サーチバンクをご覧いただき、ありがとうございます。

サーチバンクでは、エンジニア中心のメンバーで、私たちだからこそできる、べんりで楽しくなる情報を発信していきます!

これからの働き方を考えるメディア「JobTier」にて、対談記事を書いていただきました!

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