Apple IDを複数作成するには?メリット・デメリットとは

記事更新日: 2020/04/26

ライター: せきぞー

Apple IDという言葉はAppleのデータの管理やサービスの利用手続きなどの際に頻繁に登場する言葉なので

iPhoneやMacなどAppleのデバイスを使用している人には馴染みのある言葉ではないでしょうか。 

 

しかし、Apple IDは使用用途が多岐にわたる上、仕組みがややこしいために

いざどういったものなのかちゃんと説明しろと言われて説明できる人は少ないかもしれません。

 

ましてやApple IDは一人につき1個しか持てないのか?それとも複数作って使い分けたりできるのか?

なんてことは考えたこともなかったという人の方が多いのではないでしょうか。

 

今回はそんなApple IDを一人で複数持って利用していくためにはどうしたら良いか

そして複数使用することでどんな得があるのかをメインにご紹介させていただけたらと思います。

Apple IDを複数作成することは可能

Apple IDは、iCloud、App Store、iTunes Store、Apple Music、その他のサービスへのアクセスにお使いいただくアカウントです。このアカウントには、サインインにお使いいただくメールアドレスやパスワード、Appleのサービス全般でご利用いただく連絡先、お支払い情報、セキュリティ情報が全て登録されています。

どこでApple IDを作成した場合も、すべてのAppleサービスへのサインインに同じIDを使うようにしてください。そうしておけば、1つのアカウントとパスワードで、すべてにアクセスし、まとめて管理できます。

引用:アップルサポート

Apple IDはiPhoneやMacなどAppleの製品で使用している写真の共有や、ダウンロードしたアプリの共有など、主にデータを共有する目的で使われます。

データ管理が紛らわしくなるので公式サイトではApple IDは1人につき1つだけ使うことを推奨しています。

しかし、システム上Apple IDを複数所有することは可能であり、公式からも禁止されていることではありません。

一つの端末を複数人で使用する場合や、プライベートと仕事のデータを分けたい場合など、あえてデータを使い分けたいと思っている人も存在しますので目的を持ってApple IDを複数持つのであれば全く問題ありません。

 

Apple IDを複数持つことのメリット

無料で使えるiCloud容量が増える

写真や連絡先などのデータの保存にiCloudを使用する方は多いと思います。

iCloudはApple IDを作成すると使用が可能になるクラウドサービスと呼ばれるネット上でデータの管理ができるサービスのことをいいます。

 

以前はiPhoneなどのデータの保存はiTunesを使用してパソコンに保存することが主流でしたが、

この作業が何かと手間がかかり不便に感じるところでもありました。

 

しかし近年ではクラウドサービスが普及してきたことによりiCloudを使って「パソコン上」ではなく「ネット上」にデータを保存しておけるため、

どこにいてもiPhoneひとつで手軽にデータ管理ができるようになってきているのです。

 

iCloudにはひとつのApple IDにつき5GBまで無料でデータを預けることができます。

iCloudは月額料金制で金額に応じて使用できる容量が変わってきます。

・5GB:無料
・50GB:130円
・200GB:400円
・2TB:1300円

 

仮に保存したいデータが5GBを超えてしまうけど合計で10GBも満たないという人がいた場合、

Apple IDを2つ持つことで無料で使えるデータ容量が10GBになるのでそれぞれが5GBに収まるようデータを振り分けて管理すれば余計なコストを抑えることが可能です。

 

アカウント毎にデータの管理ができる

Apple IDは複数の端末でひとつのApple IDを共有することが可能です。

 

例えば手持ちのiPhoneを使って写真を撮影した場合、

同じApple IDを使用している自宅のMacの写真フォルダにもiCloudを通じて自動的に同じ写真が反映されるので手作業で転送作業をする手間がかからず非常に便利です。

 

しかしApple IDの共有の管理がうまくできていないと個人情報がダダ漏れになってしまうという危険性もあります。

例えばMacなどのパソコン1台を家族で使用する場合、アカウントがそれぞれ別にあったとしてもApple IDがひとつしかなければ自分の見られたくない情報を家族に見られてしまうかもしれません。

 

しかし、Apple IDは各アカウントごとに別々に設定することも可能です。

各自別々のApple IDを設定しておけば自分用のアカウント以外にiCloudなどのデータなどが共有される心配はありません。

 

iCloudとiTunes・App Storeを別々のApple IDで使える

Apple IDはiPhoneやMacなど、ひとつのデバイスに対してひとつだけ使用することが普通なのですが、

あえてiCloudとiTunes・App StoreのApple IDを別のものにして使用するという方法も存在します。

別々に利用することによってアプリのダウンロード履歴を隠したり、有料サービスをうまく使い回したりすることができるようになります。

 

詳しくは後半のiTunesとApp StoreのApple IDを変更することのメリットの部分にて説明しております。

 

Apple IDを複数持つ時の注意点

ひとつのメールアドレスで作れるApple IDはひとつ

Apple IDはメールアドレスがひとつあれば作成することができます。

使用するメールアドレスはYahooメールやGmailなどのフリーメールアドレスでも大丈夫です。

しかし、二つ目以降のApple IDを作成する際は一度登録したメールアドレスはApple IDを識別するために使用されているので別のメールアドレスを用意する必要があります。

 

携帯キャリアのメールアドレスはおすすめしない

Apple IDはau、DoCoMo、SoftBankなどのキャリアメールアドレスでも登録が可能です。

しかし、途中で契約会社を変更してApple IDの登録時に使用したキャリアメールアドレスが使用できなくなってしまった場合、

Apple IDに関する大事なお知らせメールなどが見れなくなってしまうので継続的に使用可能なメールアドレスを使って登録することをおすすめします。

 

Apple IDを複数持つことのデメリット

アカウント管理が面倒くさい

Apple IDはひとつのメールアドレスにつきひとつしか作れないので複数のApple IDを作成すると作成した分だけメールアドレスやパスワードの管理が必要になってきてしまいます。

しかもApple IDをMacやiPhoneなどのデバイス内でいちいち切り替える作業には若干の手前と時間がかかる上に、

保存しているデータがどのApple IDで管理しているものなのかはアカウントを切り替えないとわからないので、

すぐに必要なデータを引っ張ってくる時などにどこにあるかも記憶しておかないと苦労することになるかもしれません。

 

複数のApple IDのデータを共有したい場合

もし複数のApple IDに保存したそれぞれ別々のデータをいちいちアカウントを切り替えて使うことが煩わしいと感じた場合は、

ファミリー共有を使って複数のデータをを共有してしまう方法もあります。

ファミリー共有を使えばアカウントを切り替えずに合計で6個までのアカウントのデータを共有することができます。

詳しくは公式HPのファミリー共有を設定するを参照下さい。

 

Apple IDを作成する方法

Apple IDを作成していく方法は何通りかあり、ここでは以下の3つの方法を説明させていただきます。

※各項目をクリックしたらそこから読み始めることができます。

 

iPhoneやMacなど各Apple製のデバイスで作成が可能ですが、

ここではそれぞれiPhoneで作成している画面を使用しながら説明していきたいと思います。

 

Apple公式サイトから作成する

■Apple公式サイトのApple IDを管理のページにアクセスします。

 

■同ページを下にスクロールして「Apple IDを作成」の文字をタップします。

 

■上から順番に必要事項を記入していきます。

まずは名前、国籍、生年月日を入力。

■登録に使うメールアドレス(このメールアドレス自体がApple IDになります)、パスワードを設定します。

■パスワードを忘れてしまった時の本人確認用の秘密の質問を3つ設定します。

質問内容は1つの質問につき6個の質問が用意されているので答えやすいものを選んで設定しておきましょう。

 

■Appleに関する新着情報をメールで受け取りたくない方は「お知らせ」と「App、音楽、テレビ番組など」のチェックマークを外しましょう。

メールは頻繁に届くと思うので大事なメールが埋もれてしまいそうで嫌だと思う方はチェックマークは外しておいた方が良いでしょう。

最後に画像内の文字を入力して「次に進む」をタップします。

■設定したメールアドレスに確認コードが送られてくるので、送られてきたコードを入力して「次へ」をタップします。

 

■登録完了画面が表示され、任意でクレジットカード情報など各詳細設定ができるようになります。

 

 

はじめにサインアウトしておく

ちなみに一番最初に公式サイトにアクセスした際に、既に既存のApple IDでサインインしている状態である場合はひとつ上の画像の画面が出てくるので画面一番下の「サインアウト」から一度サインアウトしている必要があります。

 

設定アプリから作成する

iPhone内の歯車の絵が描かれた「設定」アプリを用いた作成方法です(Macであれば「システム環境設定」がそれに該当します)。

 

■まずは既に使用しているApple IDのアカウントからサインアウトします。

歯車マークの設定アプリを開いて画面一番上の項目をタップしてApple IDの設定画面へ進みます。

 

■Apple IDの設定画面の一番下にある「サインアウト」の文字をタップして既存のアカウントからサインアウトします。

 

■iCloudからiPhoneにコピーしたデータをそのままデバイス内に残しておくか選択をします。

ファイルサイズの大きい写真やビデオなどがiPhone上から削除されてしまう可能性がありますが、iCloud上に残っているデータは再びサインインし直して同期すればiPhoneにデータを入れ直すことが可能です。

 

■サインアウトが完了したら今度は新規アカウントを作成します。

設定アプリの画面トップの「iPhoneにサインイン」の文字をタップしてサインイン画面に移ります。

 

■「Apple IDをお持ちでないか忘れた場合」の文字をタップし、続けて「Apple IDを作成」をタップします。

 

■名前と生年月日を入力して右上の「次へ」をタップします。

 

■登録に使用するメールアドレスを入力して「次へ」をタップ。

新着情報に興味のない方は「Appleからのニュースとお知らせ」をOFFに切り替えます。

 

■本人確認に使用するための電話番号を設定します。

設定にしようしているiPhoneの電話番号がデフォルトで設定されていますが、別の番号が良い方は「別の電話番号を使用する」をタップして変更しましょう。

設定が良ければ「続ける」のボタンをタップ。

 

■利用規約に同意したら画面右下の「同意する」をタップし、さらにポップアップの「同意する」をタップします。

 

■待ち…

 

 

■iPhoneのロック画面を解除するときに使用するパスコードを入力して「完了」をタップします。

 

■登録したメールアドレスに確認のメールが届くのでメール内の「今すぐ確認」のリンクをタップしてメールアドレスの確認を完了させれば登録完了になります。

 

iTunes Store・App Storeから作成する方法

iTunes StoreとApp StoreからApple IDを作成する方法を説明していきます。

方法の手順はほとんど同じなので今回はiTunes Storeを使って作成している画面を使用していきます。

 

■まず既に使っているApple IDからサインアウトする必要があるので、iTunes Storeのアプリを起動したら画面一番下のApple IDが表示されている部分をタップして「サインアウト」を選びます。(Macの場合はメニューバーの「アカウント」からサインアウトができます)

 

■サインアウトができたら再度画面一番下までスクロールして「サインイン」のボタンをタップします。

 

■登録に使用するメールアドレスを入力して、パスワードを設定します。

国籍と利用規約に同意したら画面右上の「次へ」をタップします。

 

■名前と生年月日を入力して、Appleの新着情報に興味がなければ「Apple最新情報」をOFFに切り替えて画面右上の「次へ」をタップします。

 

■決済方法の設定と住所の入力をします。

特に何も購入する予定がなければ決済方法は「なし」を選択します。

 

■アカウント復旧の際に使用する電話番号を設定します。

設定に使っているiPhoneの電話番号がデフォルトで設定されていますが、変更の必要がなければそのまま「次へ」をタップします。

 

■登録に使用したメールアドレスに確認コードが送られてくるので、送られてきたコードを入力して右上の「確認」をタップします。

 

■少し待ちます…

 

■お使いのiPhoneのロック画面の解除に使用しているパスコードを入力して右上の「完了」をタップします。

 

■Apple ID作成完了画面が表示されサービスの利用が可能になります。

 

Apple IDを上手に切り替えて活用する方法

新しく作成したApple IDを実際にどのように活用していくかをご紹介していきます。

 

Apple IDを切り替える方法

■Apple IDを切り替えるにはまずサインイン中のApple IDをサインアウトします。

「設定」アプリの一番上の登録者名をタップしてApple IDの設定画面に進みます。

 

■画面の一番下にある「サインアウト」の文字をタップしてサインアウトします。

 

■iCloudからiPhoneにコピーしたデータをそのままデバイス内に残しておくか選択をします。

ファイルサイズの大きい写真やビデオなどがiPhone上から削除されてしまう可能性がありますが、iCloud上に残っているデータは再びサインインし直して同期すればiPhoneにデータを入れ直すことが可能です。

 

 

■サインアウトが完了したら別のApple IDでサインインしていきます。

設定アプリの画面トップの「iPhoneにサインイン」の文字をタップしてサインイン画面に移ります。

 

■登録したメールアドレスとパスワードを入力して右上の「次へ」をタップします。

 

■iPhoneのロック画面を解除する時に使用するパスコードを入力して右上の「完了」をタップすればサインイン完了になります。

 

iTunesとApp StoreのApple IDだけ変更する方法

Apple IDが使われる場面は主にiCloudとiTunes・App Storeを使用する時になります。

実はひとつのiPhoneの中でiCloudとiTunes・App StoreのApple IDを別々に設定することが可能になっています。

 

■「設定」アプリの一番上にある登録者名の項目をタップしてApple IDの設定画面に移ります。

 

■「iTunesとApp Store」の項目をタップします。

 

■画面上部ののApple IDの部分をタップし、ポップアップ画面の「サインアウト」を選んでサインアウトします。

これでiTunesとApp Storeのサインアウトのみが完了しました。

 

■サインアウトが完了するとApple IDの表示がされていた部分が「サインイン」に変わっているのでそちらをタップします。

 

■使用したいApple IDとバスワードを入力して「サインイン」のボタンをタップしてサインインが完了すればiTunesとApp Storeのみ別のApple IDで使用することが可能です。

 

iTunesとApp StoreのApple IDを変更することのメリット

 

アプリのダウンロード履歴を残さずに済む

App Storeでダウンロードしたアプリのダウンロード履歴は消したくても消すことができません。

しかし、iTunes・App StoreのApple IDを履歴を残す用のものに変更してアプリをダウンロードすればこの問題は解決できます。

 

例えば仕事で使用している共用のiPhoneなどのデバイスにダウンロード履歴を見られたくないけど一時的にダウンロードして使いたいアプリがある場合、

Apple IDを切り替えてダウンロードすれば同僚にバレることなくアプリを使用することができます。

しかもこの場合、iTunes・App StoreだけApple IDを変更した方がデータの処理や作業工程が少ないので便利です。

 

ー注意ー
アプリのダウンロード後、もしくは削除後にサインアウトを怠ってしまっていたら元も子もありません。

 

有料アプリのサービスを使い回せる

普段自分のiPhoneなどで利用している有料アプリを別のデバイスで一時的に利用したい場合などに

iTunesとApp StoreだけApple IDを変更すれば、変更先のデバイスに自分のiCloudのデータなどが共有されることなくサービスを利用することが可能です。

例えばApple Musicのストリーミング再生は有料登録することによって聴きたい曲をいくらでも再生することが可能なサービスですが、

普段自分がApple Musicで聴いている音楽をApple Musicに有料登録していない友人宅のパーティーで友人のMacで流したいと思えば、

iTunesとApp StoreのApple IDを自分のものに変更するだけで簡単に利用することができてしまいます。

 

ー注意ー
ただし、目的が済んだ後にしっかりサインアウトしないとプライバシーの漏えいや支払いに関するトラブルに繋がるので注意が必要です。

 

一度辞めた有料会員制のアプリもすぐに再開できる

iPhoneのアプリ内で支払いを行う有料会員制のアプリは、

一度アプリ内のアカウント情報を削除してしまうと1度契約した時の有料期間が残っていても再度新しいアカウントで有料期間を引き継ぐことができません。

これは各アプリの運営側のアカウント情報の管理とApp Store側の決済情報の管理が別々で、1個前のアカウント情報と決済情報が結びついてしまっているためです。

 

しかも、期間内ならいつ解約しても有料期間が過ぎるまでは引き続きサービスの利用ができるApp Storeの決済のシステム上、

1個前の有料期間が過ぎるまでは再度有料登録をし直すこともできません。

 

したがって万が一、

有料期間が過ぎる前にまた新しいアカウントでアプリの有料利用を始めたいという状況が起きてしまった場合、

iTunes・App StoreのApple IDを変更して新しいアカウント情報と新しいApp Storeの決済情報と結びつけるという裏技を使いましょう。

 

ー注意ー
しかし、支払いの管理がちゃんとできていないと別々のApple IDで同じアプリのサービスに意図せず重複して課金して無駄な費用がかかってしまうということも起こりうるため

どのApple IDで決済を行ったのかしっかり管理しておくようにしましょう。

 

具体的にどういったアプリが話の対象になっているのか、参考までにマッチングアプリのクロスミーの記事を例として載せますのでもし興味のある方は覗いてみてください。

iCloudにデータを振り分ける方法

作成したApple IDで使えるiCloudごとにiPhoneのデータを振り分けていく方法を説明します。

 

■使用したいiCloudのApple IDでサインインした後、「設定」アプリの登録者名の部分をタップしてApple IDの設定画面に移ります。

 

■「iCloud」の項目をタップします。

 

■データをiCloudに保存したい場合は、保存したいデータを選んでスイッチをオンします。

 

■1度保存したデータを削除したい場合は「ストレージを管理」の項目をタップしてさらに管理画面へ進みます。

 

■削除したい項目を選び「無効化して削除」もしくは「オフにして削除」をタップしてiCloudからデータを削除します。

 

 

以上、Apple IDを複数作成する方法とその活用方法についてご説明させていただきました。

筆者個人の意見としてはメインで使用するApple IDがひとつと、サブで使用するApple IDと合わせてふたつもあれば十分かなと思っています。

この記事を書いたライター

せきぞー

詳細プロフィール

普段は野外イベントの設営など行っています。

出来るだけ読者の方の視点に立った執筆を心がけていきます!

物静かな性格なため時折南の島に佇む某石像と勘違いされることもあるとか、ないとか。

Twitter:@100Sekizo

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