未経験からフリーランスになることのデメリットについて(体験談有り)

記事更新日: 2021/04/18

ライター: けーいち

近年、企業で務めるよりも「自由な働き方」を求めフリーランスになり個人で仕事を受け持つといったスタイルが広まりつつあります。

その風潮を受け、エンジニア業界でもフリーランスに強い関心を持つ人は後を経ちません。

 

けーいち

自分がメンターを務めるプログラミングスクールでもフリーランスを希望される生徒さんは結構いらっしゃいます。

 

フリーランスを希望する方々の理由を聞いてみると、

 

収入が高そうだから

自由に仕事を選ぶことができるから

人間関係を気にしなくてよさそうだから

時間や場所に縛られることがなさそうだから

 

だいたい上記のような理由であることが多いです。

 

けーいち

自由に働けて、年収も上がるなら確かに言うことないですよね。

 

しかし、エンジニアとしてキャリアを積んでいくための最初のステップとしてフリーランスを選ぶことは本当にいいことばかりなのでしょうか?

 

けーいち

結論から言えば、未経験からでもフリーランスとして活動していくことは可能です。
ですが、おすすめはしません

 

その理由は、未経験からはじめた場合だとメリットよりもデメリットの方が大きいからです。

 

けーいち

実は、駆け出しのフリーランスだとはじめてのうちは思ったような仕事がすぐにもらえない場合がほとんどなんです。

 

いきなりフリーランスからはじめるよりも「正社員として企業で下積みを重ねる」など、ある程度のスキル、キャリアを形成してから独立を検討した方が長期的な目線で考えればより効率的なスキルアップ、キャリアアップに繋がることになると自分は考えています。

 

けーいち

むしろ未経験が個人で受け持つことができるような仕事だけをしているとごく一部を除いて成長曲線が頭打ちになってしまいます。

 

とはいえ、デメリットの具体的な内容がわからないとイメージが湧きづらいかと思います。

そこで今回は、未経験からフリーランスエンジニアになることがおすすめできない理由を具体的なデメリットを交えながら解説していきたいと思います。

 

けーいち

一度フリーランスに転向したものの、再び正社員に戻ったことがある私自身の経験も踏まえてお話しさせていただきます。

 

この記事のライター
けーいち
エンジニア歴13年の現役フルスタックエンジニア
SES開発3年→フリーランス2年半→自社開発5年半→フリーランス2年を経て今年から法人化
現在の主な業務:SES開発、自社開発、プログラミングスクールメンター

 

いきなりフリーランスがおすすめできない理由

未経験からフリーランスになることをおすすめしない理由には大きく分けて以下の3つのデメリットがあるからと考えています。

 

 

けーいち

とくに1番目のエンジニアの繋がり関してのデメリットが理由として大きな割合を占めているので1番目を読むだけでも参考になるかと思います。

 

1.エンジニア同士の繋がりが乏しい

エンジニアとして仕事をするうえでエンジニア同士の繋がり

「仕事の確保、スキルアップ、キャリアアップ、情報収集」など様々な場面で重宝されます。

 

けーいち

とくに駆け出しの頃に関係を築いたエンジニアとのネットワークがその後の成長に大きく影響する場合もあります。

 

しかし、フリーランスエンジニアは基本的に単独での仕事が多いため、「正社員*としてのエンジニア」と比較するとエンジニア間の繋がりを構築していくハードルがかなり上がることになります。

ここでいう正社員とは自分の望む成長が見込める環境の整った企業での正社員のことを指す。どこでもいいというわけではない。以下同様。

 

正社員の場合、同じ社員であれば帰属意識が芽生えるため仲良くなる機会は作りやすいですし、先輩エンジニアが面倒を見てくれることもあるでしょう。

接する機会が多ければその人の力量に見合ったやり取りも可能です。

 

けーいち

例えば、「プログラミングの設計について」など今より上流の工程についての意見を求める時に、自分と同じレベルの人に聞いたところで欲しい情報は手に入らないでしょう。

 

ところが、フリーランスとして委託先の企業へ配属されると、フリーランスはその企業の人間ではないため自然と孤立しがちになってしまいます。

とくに駆け出しのフリーランスの場合、スキルや経験の少なさから相手の力量が測れず誰に何を聞けば良いのかすらわからない状況になることも少なくありません。

 

けーいち

そもそも相手側が自分に興味を持ってくれるか?といった問題も立ちはだかることになります。

 

勉強会等に参加することで他のエンジニアと繋がる機会などは当然ありますが、やはり社員間での関係性と比較するとそれなりの関係を深めるハードルは上がります。

 

けーいち

極論ですが、正社員でもフリーランスでも、多くの人と関わる機会を自分から作っていくことができたり、少ない中でも個々の強い結びつきを作れる人であればそこまで懸念するポイントではありません。

 

しかし、これが仮に「人とコミュニケーションをとることが難しい」と感じている駆け出しのフリーランスが委託先の孤立した環境に入ったのだととしたら、周りのエンジニアと良好な関係を築くことは極めて難しいと考えるのが妥当ではないでしょうか。

 

けーいち

たまにいるんですが、「コミュ力がないからエンジニアになろう」という考えは正直いって最悪です。

 

筆者の経験談

自分の場合はSESの企業で3年実務を経験した後、懇親会で仲良くなった知り合い経由で仕事を回してくれそうな宛が2箇所あり、それを当てにして4年目からフリーランスになりました。

しかし継続的に安定した仕事をもらうことは難しく、案件探しで焦っていたところ、以前務めていたSES企業の後輩から委託先で知り合ったSES企業の営業さん経由で開発現場の案件を紹介してもらう機会があり、なんとか食いつないでいくことができたといったエピソードがあります。

ここで一番伝えたいことは、知り合いづてで仕事を紹介してもらうには紹介者が「自分のことを自信もって紹介できる」と思えるだけの関係性が構築されているか、がとても重要だということです。

仕事を紹介する側の立場で考えると「下手に紹介して自分の経歴に傷がつくような人」は紹介できないわけです。

自分の場合、紹介者(後輩)が今までの自分の仕事の進め方などを実際に見てきているので、「プロジェクトを進められる力量があるか」の判断材料が十分にあったのだと思います。

これが勉強会で軽く会って話した程度の関係性だと「この人賢そうだな」レベルの判断はできるかもしれません。

しかし、その人が実際に現場にアサインされた際に「確実に仕事になるんだろうか」と考えるとかなり怪しいはずです。

 

2.上流工程に参画できるチャンスが少ない

業務委託を受け入れている先の現場で、あえて自社の社員を差し置いて業務委託の人材に「成長を見込んで失敗するリスクのある仕事を任せるか」といったら任せないケースがほとんどだと思います。

 

けーいち

自社の社員に任せた方が人材育成としての意義は大きいはずですからね。

 

したがってまともな開発企業の正社員であれば、フリーランスやSES企業の人材よりもチャレンジの場が積極的に得られると思います。

 

仮に業務委託の人材に大きな役割を振られる機会があったとしてもリスクヘッジの観点から「ちゃんと上流工程回せる人」をそれなりの費用を払って呼ぶことになることが大半です。

業務委託というのはあくまで「お金を払って決められた業務をこなしてもらう」ために呼ばれているため、「言われたことだけ」をやっていればそれで十分な存在なのです。

 

けーいち

業務委託の人材に対して「この人これできるかわかんないけどちょっとお願いしてみようかな?」とは基本的にならないのが普通じゃないですかね。

 

筆者の経験談

フリーランス時代の自分も例外ではなく、委託先の現場にいた時は機会をもらいづらい、というよりそもそも与えられるような環境ではありませんでした。

ただし裁量が増えるといったケースはないこともなく、「ここ、1人でまわせそうだからお願いね」といった感じで任されることはありましたが、かなりレアなケースかもしれません。

上流工程に関わる経験・スキルが伸ばせないにしても、その他のスキル(チームビルディング等)は環境によっては伸ばしていくことができるかと思います。

しかしながら自分のいた環境では「あくまで契約をした人・もらった人」の色が強く、相談したり、面倒を見てもらうことはおろか、自分が発言できるような機会というものはほとんどありませんでした。

当時、一番堪えたのはとある機能開発の際、「既存の機能と一緒に変えた方が良いと思う箇所」を提示したときに

え、べつにやってもいいけど、トラブル起きたら誰が責任とるの?」「君が責任とるならやってもいいけど」と一掃されてしまった時でした。

 

3.社会保障や社会的信用が低い

これはフリーランス全般にいえることでエンジニアに限った話ではありませんが、基本的にフリーランスは社会的な保証&信用は薄いです。未経験のフリーランスであれば尚更不利な状況になると思った方が良いでしょう。

社会保障

正社員とフリーランス(個人事業主)とでは日頃起こりうるリスクに対する公的な保障に大きな差が生まれます。

正社員であれば、突然の解雇や入院など、なんらかの理由で給与が下がったとしても労働基準法や失業保険、傷病手当金などの制度によって守られている部分があるため、急に所得がゼロになるというようなリスクに対するセーフティネットが準備されています。

しかしあまり触れられていない部分だったりしますが、フリーランスではこういったセーフティーネットが設けられていないため、いかなる場面でも所得がゼロになってしまったらそのままゼロなのです。

 

けーいち

フリーランスの場合は万が一に備えて個人で所得補償保険等に加入するなど別途手続きをしておく必要があります。

 

また年金についても正社員であれば会社が諸々の手続きを行ってくれますが、フリーランスになると自分で考えて支払いや手続きをしなければなりません。

さらに、そこまで広く知られていないことかもしれませんが、

フリーランスになると実入は多くなりますが、自分で支払う税金・年金・保険などを差し引いてトータルで考えると最終的に会社員の給料とそこまで差はなくなるといったケースが多々あります。

 

正社員/個人事業主での税金・年金・保険の違い

基本的には
「給与天引き / 自分ですべて手続き」
という感じになります。

# 税金
特別徴収(毎月支払い) / 普通徴収(4期に分けて)

# 年金
厚生年金(会社と折半、バック額も多い) / 国民年金(全額自己負担、バック額少ない)

# 保険
保険組合(福利厚生は組合に寄る) / 国民健康保険(福利厚生ほぼなし)

 

社会的信用

会社員とフリーランスとでは社会的信用が大きく変わってきてしまいます。

 

けーいち

フリーランスだと社会的信用が低く、意外と出てくるデメリットが多いんです。

 

具体的には、ローンが組めない・クレジットカードが作れない・賃貸契約などの契約ごとがスムーズに進められない場合が多くなります。

世間的には「フリーランス=どこにも所属してない」という印象で具体的にどのくらい稼げるのかといったことが証明しづらくなっています。

 

けーいち

とくに初年度では収入を証明できるような書類がなかなか揃わないので苦労することになると思います。

 

2〜3年ほどフリーランスが続けば2年目以降は確定申告書類が使えるためこの点は(一般的な傾向ですが)解消できます。

ただし、2年目でも初年度だけだと「たまたまなんじゃないのか?」「継続してこの金額を稼いでいけるのか?*」と言われてしまった場合に、将来的な収入を保証できる手立てがないと契約を見送られてしまうということもあるのでその時と場合にもよると思います。

※案件を回してくれるエージェントを挟めば「継続して売上を上げ続ける」ことも可能ですが、それが契約の判断材料になるかわからないうえに、エージェントに支払う手数料の分単価もさがることになるので、実入りは減りますし、支払いの面でマイナスが増えるため手取りも減ることになります。

 

要は、相手が自分の情報を見て「こいつはちゃんと働き続けられるな」という判断をしてくれるかどうかなので、どこまでやってたらいいのかという基準はありません。

いくら稼いでるからといっても相手が「いや君は信用できないんで無理です」と言われてしまえばそれで話は終わってしまうわけです。

 

けーいち

しかもこういった契約が通る基準というのは基本公開されていないので、断られる理由を聞いたとしてもいわゆる「総合的判断による」といった言われ方をされてしまいます。

 

単発のちっちゃい仕事ばっかりしていると「あなたいつ倒産するかわからないじゃないですかw」みたいな事を言われてそこで話が終わってしまいます。

ただし、初年度に収入を証明できる書類の用意がなかったとしても、取引先の会社というのも一つの判断材料となるため、どのような会社と契約中なのかを提出することで、相手の顔色が変わる可能性もあります。

 

けーいち

もし今学生や正社員として働いているのであれば、賃貸契約やローンを伴う買い物、クレジットカードの作成は済ませておいたほうがよいと思います。

 

クレジットカードは一度作ってしまえば自分から申告しない限りは契約解除、限度額下がる等の心配はないですし、不動産についても基本家賃を払い続けていれば追い出されるということはありません。

フリーランスになる前に正社員として働いているうちにこのへんの準備をしていればこの問題は回避できます。

 

筆者の経験談

フリーランス時代、仕事の切り替えの都合で生活資金が途切れそうになったことがありました。
当時は両親とはほぼ連絡をとっておらず、他に頼れる人もいなかったため消費者金融に駆け込んだのですが、

担当者「収入を証明するものはありますか?」
自分「ありません」

担当者「お引き受けすることは出来ません」

といった感じで、全く相手にされませんでした。
結局大手を4社ほど周り、最後の1社だけが引き受けてくれたのでその場は切り抜けられましたが、結構なトラウマです。

 

おわりに

結論、未経験からフリーランスをはじめることはハードルがちょっと高いと思います。

良いエンジニアを目指すには「自分で勉強をすること」は大前提で、よりよい情報に触れる機会を増やすことが重要です。

これは正社員であればメンターもついて学習環境の機微も手に入るので、あえてフリーランスにこだわるメリットはないと思います。

 

もしそれでもチャレンジをしたいと思うなら、色々なエンジニアとの繋がりがある方がよいです。

一番重要なこととしては仲間を集めて、力(≒技術力、開発力、マネジメント力、etc...)をつけること、ですかね、、

いろいろなエンジニアと繋がりがあって、あらゆるトラブル、課題を、自分の力、他の人の力を使って解決できる、

かつセーフティネットを自分で構築できる自信がある、と思えるようになってから考えはじめても遅くはないのではないでしょうか?

 

 

けーいち

そもそも正社員を避けたいと思ってしまう理由が自分にはよくわからないんですよね。

 

学生であっても転職を考えている人であっても、効率よく学習しながら仲間を集めるためにも正社員を目指した方がいいと思います。

とくに現在学生で将来エンジニアを志望している人なのであれば新卒カードを使って優良な企業にエンジニアとして就職しない手はないです。

 

ただし、どこでもいいから正社員になれば成長が見込めるかといえばそういうわけではありません。

企業によっては教育体制が整っていない環境や、新しい技術を取り入れることに積極的でない環境も存在するためです。

 

「未経験がどういった部分を見れば良い企業に出会えるのか?」についてはまた後日、記事にして紹介させていただきたいと思います。

この記事を書いたライター

けーいち

こんにちは、「けーいち」です!

普段はエンジニアとして、システムの設計や開発を行っています。

エンジニアをやっているからこその「質の高い情報発信」を目指してがんばります!

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