TwitterやFacebookなどのSNSで頻繁に耳にするハッシュタグという言葉。
このハッシュタグの記号「#」をキーワードの手前につけて投稿をすることでユーザーは同じキーワードに関する投稿が探しやすくなります。
しかし、
このハッシュタグというものに日本人なら一度は疑問に感じたことがあるのではないでしょうか。
「#←これってシャープのことだよね?」
と。
シャープという呼び方が簡単で覚えやすかったのになぜ今さら呼びづらい名前に変わって拡まることになったのでしょうか?
その答えはそもそもハッシュタグとシャープは全然関係のない別の意味を持つもの同士だからです。
ハッシュタグとはナンバーサインと呼ばれる「#」のマークをキーワードの手前につけてラベル化(タグ付)されたもののことを指します。
TwitterなどのSNSでメッセージを投稿をする時にハッシュタグが入力されていると、同じハッシュタグが付いた投稿だけをまとめて探すことが可能になります。
下のTwitterの投稿の青色に変化した文字の部分が実際にハッシュタグを使用してラベル化されたキーワードです。
哀愁漂う背中だなぁ#哀愁 #アマガエルpic.twitter.com/pjxmyPCVl4
— SearchBank(sekizo→) (@100Sekizo)July 28, 2020
ハッシュタグとしてではなくナンバーサインを外したキーワードで検索をすることも可能ですが、関連性の低い検索結果までが表示されてしまうようになります。
特にラジオ番組へのコメント投稿や、トレンド入りしているキーワードに関する投稿など特定のキーワードを探したいユーザーが明確になっている場合にハッシュタグを利用する必要性は高くなります。
ハッシュタグの普及はTwitterからはじまり現在ではFacebook、Instagram、Google+、Flickr、YouTube、VK、Pinterestなど多くのSNSサービスで当然のように使われるようになっています。
ハッシュタグに使われるナンバーサインは「ハッシュマーク、パウンド、スクエア 、井げた、番号記号」など様々な呼び方があります。
ナンバーサインの用途は多岐にわたりますが、「#3(ナンバースリー)」など数字の前に置いて番号を意味する使われ方が最も一般的です。
その他にも重さを表すパウンド(lb)の替りに用いられたり、
コンピューターの分野でも古くから様々な使われ方がされておりプログラミング言語では「コメント」を表す記号として使われています。
ナンバーサインの書き方は水平なヨコ線が2本と右に傾いたタテ線の2本が組み合わさった記号になります。
ナンバーサイン →#
シャープは嬰記号(えいきごう)とも呼ばれ、譜面上の指定した音符の音を半音上げることを意味する記号です。
シャープにはナンバーサインのような番号を表す意味などはなく音楽で使う記号であること以外の意味はありません。
書き方は平行な縦線が2本に左に傾いた横線2本を組み合わせたものになります。
シャープ →♯
ナンバーサインとシャープを並べてみるとわかる通りナンバーサインは縦線が斜め、シャープは横線が斜めになっており微妙に異なる記号だということがおわかりになるかと思います。
ナンバーサイン#シャープ♯
つまり、ハッシュタグとシャープは似ているようで、形も意味も全く違う別々の記号であるということになります。
実は、ナンバーサインとシャープの呼び方を混同してしまっている国は日本に限定されているのです。
その一番の理由されているのが、
「日本人は電話機についているナンバーサインのボタンのことをシャープと呼んでしまっているから」だと言われています。
電話の音声ガイダンスで
「該当する番号を押して最後にシャープを押してください」という音声をよく耳にするかと思います。
前述の説明を読んだかたならおわかりかと思いますが
この表現、正確には誤りになります。
日本人はただ単にシャープに似ているからという理由だけでナンバーサインのことをプッシュ式の電話が普及した当初からずっとシャープという言葉で代用してきていたのです。
ちなみにシャープボタンのことをアメリカでは「パウンド」、イギリスでは「ハッシュ」とそれぞれ呼び方が異なります。
この理由にも諸説があり、
そもそもシャープ「#」ボタン、並びにトーン「*」ボタン(英語圏ではアスタリスクもしくはスターと呼ばれている)というのは
1960年代にボタンプッシュ式の電話機が発明された際、音声ガイダンスによるキー操作ができるようにと追加されました。
しかし、普及された当時シャープボタンの正式名称が決まっておらずマニュアルにすら名前が載っていなかったといわれています。
その後、開発者によって「octotherp(オクトサープ)」という名称で正式に発表されましたが
あまりピンとこなかったのか浸透はしていかなかったようです。
したがって開発時に名称が曖昧だったことから、日本を含め国によって電話機の記号ボタンの呼び方がそれぞれ独自の呼び方になってしまっているのだという見解もできるのではないでしょうか。
日本の中だけでのやりとりであればナンバーサインをシャープと呼ぶこともそれほど大きな問題ではありません。
むしろ伝えやすさを重視しようと思うと、ナンバーサインのことをあえてシャープと言ったほうがスムーズに相手に伝わる場合も往々にあるかと思います。
しかし、ハッシュタグという言葉が世界的に広まっている以上間違った解釈のままでいるとどこかのタイミングで語弊を招いたり、恥をかいてしまうことになりかねません。
きっといまだに両方の意味を混在させてしまっている人は大勢いると思いますので是非皆さんの周りで知らない方がいましたら教えてあげてください。
普段は野外イベントの設営など行っています。
出来るだけ読者の方の視点に立った執筆を心がけていきます!
物静かな性格なため時折南の島に佇む某石像と勘違いされることもあるとか、ないとか。
Twitter:@100Sekizo